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◎北斎漫画を見る
2019年04月11日

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わたしは、脳細胞がゆきづまりますと、まず「北斎漫画」を取り出して見ます。

千数百点を超す漫画は、どこを開いても見飽きることはないのです。森羅万象といえば大袈裟でありますが、どの漫画を見ても北斎の気持ちと申しますか、気力が伝わって参ります。

また各号には、初めに序があり、当時の知識人がどのように評価されていることも分かります。最初の序は、半洲散人という方であります。次にその序を転載してみましょう。

傳神開手序
「喜怒哀楽の面にあらわれ形にあふるゝ者は更なり、山川草木おのおの其性あり 鳥獣蟲魚ミな其神有て見て喜ふへく楽むへき者あまたなれと、 境かはり時うつれハ則ゆきぬ 若その喜ふへく楽むへきものゝ情形を多歳の後 千里の外に傳むと言うせは何を以かんせんや 画は傳神の具也 然れとも其画妙に入にあらされハ 亦其神を傳ふる事あたはす 北斎翁の画におけるハ世の知る所也 今秋翁たまたま西遊して我府下に留り 月光亭墨仙と一見相得て驩はなはたし 頃亭中に於て品物三百餘図をうつす 仙佛士女より初て鳥獣草木にいたるまてそなはらさることなく 筆はふいて神なせり 先近世の画家真をうつす者ハ必風致に乏しく 意を画く者は或ハ検格なし その図する所疎淡にして明整式あり 韻あり 物々御生動せむと欲す 喜ふへく楽むへし 嗚呼たれかよくこれに加へむ 真に画を学ふものゝ開手となすへきかな 如夫題するに漫画を以てせるハ翁のミつからいえるなり」

文化壬申陽月尾府下 半洲散人題

以上の序は、なかなか見事なものであって、漫画の普及に期待している心情が伝わって参ります。

葛飾北斎を老境になって勉強しようと、少しずつ本などを蒐め、その業績をたどらんとするわたしは91歳、北斎の深奥にどの程度迫れるか?日暮れて、道遠しであります。


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